いくつかの最新情報

久々に出た Tim's Opera Bits 第 4 巻に、第 3 巻で寄せられた質問への答えが載っている。いろいろと興味深い答えがあるのだが、そのうち拡張についての部分だけを紹介しておこう。

拡張を提供する APIOpera が備えようとしないのは何故かという質問。質問者は、多くの人々の要求に答えるのはどんなブラウザにも不可能だ。それを解決するのが拡張機能であるとしている。
(Tim の個人的見解) 拡張がその答えになるのだろうか、不明である。多くの人々が拡張を欲しがっているのは、それが Firefox にあるからだ。だからといって Opera にとってもそれが正しい答えである必然性はない。その機能を備えたからといって、あなたが本当に使いたくなるような、高品質な拡張が手に入るかどうかは別問題だ。
技術上の問題も数多くある。Opera の core の持つ機能は、多くのプラットフォームへ出来るだけ簡単に移植出来るよう、小さく適度に保たれている。拡張 API を追加すると、恐らく一つのプラットフォーム、すなわちデスクトップ Opera にはプラスになるだろうが、Opera 全体にとっては必ずしも最善ではない。
多くの Opera のファンが、Firefox の拡張に対して、速度、メモリ使用、安定性等の点で不満を持っているのを知っている。それらが本当かどうかは実の所分からないが、そうした問題についても考慮しなければならないだろう。さらに Firefox ユーザのうち拡張を入れているのは、ほんのわずかだという見方も良く目にする。(拡張に関しての)たいていの話は、少数派の上げている声でほとんどが宣伝がらみなのだ。誰か(どれくらいの人が拡張を入れているかに関する)正確な数字の分かっている人が居たらぜひ教えてもらいたい。もし以上の通りならば、拡張 API を実装するために要する労力を他に回した方が良いかも知れない。
その上で個人的には、拡張 API はあったら良いなと思う。Opera のファンは偉大でクリエイティブな人達だから、そうした人達が考え出すものをいろいろ見てみたい気がする。そうすれば Opera 社は現行の機能のうちのいくつかを、基本インストールから除外し、それらを拡張として公開出来るだろう。全ての人がウェブ・ページの規格適合性をチェックしたり、ブラウザにウィジェットを入れる必要を感じてはいないだろう。しかしながら、必要がないと思っていても、使ってみたら気に入るかも知れない。最初から付いてなかったら、使う事はなかっただろう。難しい問題だね、実に。

その他、気になるだろうポイントを要点だけ。[ ] 内は訳注。

  • Opera で動く VoIP は確かにテストしていたという情報をこちらでもつかんでいたのだが、何か問題があったのだろう現在言及する人はいなくなってしまった。
  • Google の多くを始めとして Opera で使えないサービスについて。browser.js で対処したり、Open the Web の活動で頑張っている。シェアが増えれば解決する。[いまだにそれらのサービスで Opera が動かないのは、Opera がダメだからと愚痴をこぼして blog ってる人がいるとしたら、それこそ FUD だ。]
  • Opera 9.x 系列の内部呼称は Merlin、10.x 系列は Peregrine。
  • 極めて例外的に、将来の Opera 10 についての情報リークが二点。Opera Mail について、最も議論が盛んな実装希望機能がついに実現する。インデックスのバックエンドが入れ替えられる。[一点目は、最も賛否両論のあるアレだろうから、HTML Mail の作成機能の事だろう。]
  • Opera の UI エンジンは Quick というが、その書き換えは予定されていない。修正のみ。