Gecko - Camino
Avencius の Camino 2.0 ditching Gecko in favor of WebKit? で教えてもらった、Camino の Tech lead である Mike Pinkerton による、Google においてなされた Camino 2.0 へ向けて過去と将来についてのいろいろと興味深い講演。
Open Source Developers at Google Speaker Series: Camino - 直接、動画が始まるので注意。
- 1 度目は音が採れなかったので、これは二度目の収録らしい。
- 動画の内容に関する本人の弁も共に。
以下、個人的メモ。
- 無料で配られた IE に奪われたシェアを取り戻すため、Netscape のソースコードをオープンにしたのが Project331 と呼ばれていた対抗策。
- オープンソース化した後 Netscape 5(コードネーム Gromit)を捨てるきっかけとなったのは、買収した会社から新描画エンジンが手に入ったから。
- Netcsape 6 は全くのゴミで、友達には使えと決して言えないような代物だった。(そりゃあ、使ってみて直ぐにそうだと分かったが、当事者にそうあっさり言われると、余りにも無責任だなと思わざるを得ない。)
- Gecko は Windows-centric だったので、AOL の社員によって Mac native なブラウザの開発
ProjectX
が進められた。しかし Netscape 7 があるのでと、MacWorld の 2 日前になって突如プロジェクトの中止が宣告された。それが Camino 0.7 として公開された。 - 後半はオープンソースプロジェクトの利点と肝要なところの紹介。
- Sarfari の WebKit は Gecko より速くてスマートだが、見れないページがあるので自分では使えないと言っている。
- Netscape 5 のコードネームが Gromit だったというのを、この動画で語られていて初めて知った。
- Netscape 5 までの描画エンジンは Mariner と呼ばれていたそうだ。
- Gecko の元になったのは、 NGLayout engine と呼ばれていたらしい。
- 1998/12/14 の記事 - 「Netscape、次世代ブラウザーエンジン「Gecko」を開発者向けに公開」
Mozilla.Org はネットスケープ社ではありません。そこで、私達はこれからもNGLayoutを NGLayoutと呼び、XPFEをXPFEと呼びます。一方でマスコミや一般の人々は、 NGLayoutの 各種標準への優れた対応やその高い性能と、XPFEの素晴しいアーキテクチャに飛び付いた ネットスケープ社の営業の人々から Gecko という名前を聞くことでしょう。
Gecko って当時は Netscape 社の宣伝用商標だったのですね。
- Netscape による DigitalStyle 社の買収に関しては、1997年7月22日のニュースリリースで言及されています。
- DigitalStyle の共同設立者兼 CEO は Jim Hamerly で、後に Netscape のクライアント製品部門の副社長になったようです。彼は現在 Apple の iWork に含まれる Pages の原型となった、スタイルシートを用いた WYSIG パブリッシングツールの開発にも関わった。それ以前には Xerox に 17 年ほど在籍していた博士号を持つエンジニアのようです。 - 出典 - Open Sources: Voices from the Open Source Revolution - Contributors
- 2001 年にビジネスから引退した彼は、現在カリフォルニアの大学で教鞭をとっているようです。Jim Hamerly