Firefox は肥大化するのか

Wired News の More Firefox Bloat? Say It Ain't So, Mozilla は、デビュー当時の Firefox を同じくデビュー当時のエルビス・プレスリーにたとえている。
私個人がリアルタイムで知っているエルビスは、既に晩年のそれで、醜く肥満した薬漬けの姿であった。過去の映像の中にしか「スリムでセクシーで危険な」エルビスはいなかった。
上記記事中で、生まれた時には軽量ブラウザであった Firefox もまた、晩年のエルビスのようになるのではないかという懸念が表明されている。すなわちユーザの希望が「箱から取り出した状態で」より沢山の機能を持つ事だとすると、Firefox がそこから生まれた Mozilla への回帰を志向するのではないかという心配である。
Wired News が Firefox ユーザに実施したアンケートでは、メモリ消費の多さの解消、パフォーマンス、安定性の向上が希望の上位を占めた。繰り返し返答されてきた答えであるが、それらの原因を MozillaFirefox そのものにではなく、アドオンに帰している。しかしバージョン別の非互換性問題もあり、多くの人が求めるアドオンは次第に Firefox 本体へ取り込まれる傾向にあるのも事実である。現在の所、Mozilla は 90% のユーザが求める機能でないと、アドオンから本体への移行はないとしているが、この流れは止められないであろう。
昨年秋に公開された Firefox 2 では、インライン・スペルチェッカー、feed リーダー、検索エンジン・マネージャが本体へ統合された。
(訳注;手許の Firefox 2 レビューアーズガイドによると、その他、フィッシング詐欺サイト警告機能、セッション復元機能、アドオンマネージャなどが Firefox 2 の新機能として紹介されている。これらの多くは従来拡張機能として提供されてきたものだが、ユーザの要望とウェブの高度化によって本体へと取り込まれたものだ。)
今年末か来年に公開が予定されている Firefox 3 では、マイクロフォーマットを利用したデータマネージメントを始めとした更なる機能拡充が予定されている。しかし記事では、軽快で安定したオリジナル Firefox への回帰が Firefox 3 で最も望まれているのだとしている。