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Browser Usage: The unquestioned assumptions
Yngve Nysæter による特定のブラウザ向けにサイトを作るのは、経済的にも損失となりますよという小論。
そうしたサイト作りをするひとが立てている前提を以下の二点と想定し、これが事実に基づかないと反論している。

  1. 特定の(複数の)ブラウザ向けにデザインした方が全てのブラウザ向けにデザインするよりも安上がりである。
  2. 全てのブラウザ向けにデザインする際に増加する(と彼らがみなす)費用の額は、代替ブラウザ利用者によって増加する売上げに見合わない。

反論。既存の標準規格に基いてデザインし、しかる後に普及している(旧式の)ブラウザで上手く動作しない特定の箇所に修正を加え、必要に応じてベンダーにバグレポートを送付する方が、少ない費用で済む。
特定の一つのブラウザに合わせてデザインを始めると、より多くの費用が必要となる。しじゅうあちこちでコードの修正が必要になるからである。更に対象とした特定のブラウザに更新版が出てくると、デザインが崩れ再度サイトの修正が必要になり費用がかさむ。
また標準規格というウェブデザインの基礎は、公開されている情報なので学習するにも短期間で済む。他方、各ブラウザ独特の挙動についての情報は、完全な形では入手が困難である。書かれたコードが標準に沿ったものであれば、それが正確かを確かめるツール類も容易に入手可能である。
標準規格に沿ったデザインは、アクセシビリティにも優れている。更に検索エンジンにも正確にインデックスされやすいので、顧客獲得のチャンス拡大にもつながる。

  • 以下、代替ブラウザ利用者は一般的に言って上級ユーザ、アーリー・アダプター(初期導入者)であるから云々については、今一つ説得力を欠くように思え賛同出来ないので省く。