線文字 B とフサルク

思わぬ所で思わぬ名前に出くわすことがあるもので、驚かされた日であった。
Opera 7 から Opera 9.25 までで使われている JavaScript エンジンの愛称を linear_b と言い、Kestrel (Opera 9.5) のそれを futhark と言うことを知った。これは別に社内情報で目にした訳ではなく(そうであったら、ここには書かない)、State of ECMAScript 4 (Dec '07) で見かけたからである。

  • Mozilla 社員の John Resig の上掲記事は、来るべきエクマスクリプト 4 の実装具合を比較したものであるから、現時点でどうこう言うものではないが、現在 final draft(link 先 pdf) の段階にある。

現行 OperaJavaScript エンジンの愛称 Linear B とは、日本語で言えば「線文字 B」である。今や高校の世界史の教科書にも載っているミケーネ文明で用いられていた古代文字である。ミケーネといえば迷宮の語源となったラビュリュントスを備えた宮殿と牛頭人身の怪物ミノタウロスで有名なクレタ島古代文明である。
線文字 B は 1900 年の発見後、長らく解読不能とされていたが、第二次大戦後、ベントリスとチャドウィックによって解読が成功した、言語学上の一大偉業で知られている。
一方のフサルクであるが、こちらはゲルマン民族、しかも遠く北の辺境に住む後のバイキングの祖先達が使っていた(そして中世のバイキング全盛期にまで使われていた)、古代文字、ルーン文字のアルファベットのことである。Opera にしてみれば、こちらこそふさわしいネーミングということになるのであろう。