Kestrel での SVG 対応
Opera 9 の登場以来、ほとんど手が付けられていなかった Rendering Engine に、次期 Opera 9.5 (Kestrel) ではようやく本格的な改良が施される予定になっている。
- もともと将来の Opera 8.6 になるべく、バージョン 8.5 からの改良版として公開 Beta テストが行われていたものが、大幅な改良点が盛り込まれたため、そして何よりマーケティング上の理由から、バージョン 9 になった。
- 9.0 以降、現行の 9.2 まで、描画エンジンへの目立った変更はないとされている。
- 別ブランチで開発が進められていた Opera for Wii には、Kestrel でデスクトップ版に盛り込まれる改良の一部が既に組み込まれているのは、既報の通り。たとえば Shishimushi こちらの詳しい調査結果エントリなどを参照。
デイビッドの Upcoming SVG support in Opera and a Wii suprise から、SVG 関連で言及されている点を列挙・抜き書きしておく。
- Opera 社の内部版では、今年 2 月の時点で既に background に svg を指定するという、SVG 普及のカギとなる使用法が実現している、らしい。これは Nightly WebKit でも動作確認が行なえると言われている。
- その利点については言うまでもないだろう。好みの問題は別にして、ページの背景にグラデーションを配置したい場合、わずか数行のテキストで書かれた SVG を body に CSS で background-image: url(hoge.svg) と指定してやるだけで実現出来るのだから。
それだけではなく、以下の実装が実現する予定とのこと。
- image 要素への SVG を使用のサポート。要するに、待望のインライン要素への SVG の利用が可能となる。
- SVG Tiny 1.2 の vector-effect のサポート。
- SVG Tiny 1.2 の navigation のサポート。
- SVG Tiny 1.2 の handler のサポート。
- 速度向上と最適化。
- アニメーション、テキスト、SVG DOM メソッド、フィルタ関係のバグ修正。
- Kestrel では上記以外の SVG サポートも追加される可能性があるということなので、非常に楽しみだ。
モバイル向け規格である SVG Tiny が主として挙がっているのは、デスクトップへ先に実装し、携帯機器においける将来の実用化に備えるというここのところの Opera 社の方針に依るのであろう。